実はこれ、民間人の発案なんだ
ほう 公募でもしたのか?
ううん これは当時
京都に在住しており、
大阪で洋品雑貨店を営んで
いた林正治さんが――
終戦以来、ラジオや新聞で
跡を絶たない尋ね人の情報に
“年賀状が以前の
ように行き交えば、
お互いの消息も確認でき、
立ち直るきっかけにもなる”
と考え、
<年賀状にくじを付ける>
<寄附金を付加し
社会福祉に役立てる>
というアイデアを基に、
自ら見本のはがきや
宣伝用ポスターまで作り、
更には具体的な景品まで
考えて――
郵政大臣たちに会って
直接プレゼンしたんだよ
ぬ 一介の商人が
大臣に会えるものなのか?
最初に訪ねた大阪の郵便局で
郵政大臣への紹介状を書いて
もらったんだって
さすが大阪の商人は
やり手ですね!
まあ、郵政省では
「こんな時代に、
それどころではない」
といった異論もあったため、
何度も直談判して採用に
こじつけたらしいけどね
ついでにこれは
官製はがきとしては
初の年賀はがきで、
それまでは通常のはがきが
年賀状として使われていたんだ
あ 一緒だったんですか
確かに期間限定となると
分ける必要があるな
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